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寝取られ妻
第3章 不覚
「だから、今更そんな事言われても困るって・・」

久美子は回らない呂律でそう言うと自棄になったかのようにグラスのビールを飲んだのだった。

「遅くないよ!俺がいて、久美子もいる・・。他には何もいらないじゃない?」

矢野が両手を拡げて見せた。

そして、矢野が3度目の正直とばかりに久美子にキスをしたのだ。

初めから久美子の顔を挟んで逃さない体でのキスだった。

久美子は何故か目を閉じて矢野のキスを甘んじていた。

チャンスとばかり、矢野が舌を伸ばしていく。

久美子の顔が一瞬曇ったが、すぐに消えた。

矢野の舌が久美子の唇の表面、歯茎を舐め擽り、そして舌を見付けると我先にと絡めていくのだった。

久美子は唇と歯を開いて矢野を受け入れていた。

自分でもわからなかったが、今度ばかりは拒まなかった。

矢野の整った顔が間近にあり、久美子は一旦開いた目をすぐに閉じたのだった。

矢野は高校時代、久美子の憧れの男子だったのだ。

久美子の片思いだった。 

そんな事も忘れかけていた今になって口説かれても、遅過ぎるではないか・・?

久美子は心の中で矢野にそう文句を言いながら、キスを甘んじていたのだ。

矢野のキスは本格的だった。

舌を絡ませ、唾液を流し込み、向きを変え、角度を変えて続けるのだ。

そんな本格的なキスの経験などない久美子は、酒の酔いもあって意識が朦朧とし始めていた。

そんなキスが5分も続いただろうか・・? 

矢野が立ち上がり、久美子の腕を掴んで立ち上がらせた。

そして久美子を連れて夫婦の寝室に入って行ったのだった。


矢野はそこでもまた久美子にキスをした。

今度は久美子を抱き締めながら・・

久美子も無意識の内に矢野の背中に両腕を回していた。

長いキスが終わり、久美子は立っていられない位に朦朧となっていた。

矢野が何も言葉を発せずに久美子の服を脱がせ始めた。  

カーディガンを肩から脱がせ、ブラウスのボタンを外し始めた。

久美子は一瞬、矢野の腕を掴んだが、それも反射的にそうしただけであって止めさせようとした訳ではなかった。

ブラウスのボタンを外し終えた矢野がブラウスの裾をスカートの中から引っ張り出し、片方づつ腕を抜き取っていく。

脱がせたブラウスが足元に落ちたのだった。

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