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第4章 再び

（祐ちゃん、ごめんね・・私を許して・・）

久美子は罪悪感と背徳感、そして死んでしまいたい位の自己嫌悪に苛まれていた。

愛する夫がいながら、他の男と関係を持ってしまうなんて・・

真面目で私だけを真摯に愛してくれている祐介を裏切ってしまった自分が許せなかった。

お酒のせいもあったかも知れない。

相手が昔憧れていた矢野だったから・・かも知れない。

言い訳なら幾つでもできる。

でも、結局は自分なのだ。

自分に隙があったから・・

自分に甘さがあったから・・

欲があったから・・

空手を習い始めて２５年が経つが、その間、いったい何を学んで来たというのか・・？

自分で自分が許せなかった。

（このままでいいの・・？これから先、私、どんな顔をして祐ちゃんと暮らしていけばいいの・・？ダメ・・このままじゃダメよ！）

あの日以来、久美子は何度も自問自答を繰り返していた。

そして、久美子は決心したのだった。

（矢野君に会おう！会って話を付けよう！）
　
そう決めた久美子にもう迷いはなかった。