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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第1章 パートさんからの依頼
「どうせなら調子を見つつ、このあたり刈っときますよ」
「悪いわ」
「どうせ使ってみないと治せたかどうか、わからないですから
それにもし古い燃料のベタ付きが取れなかったら、きっと途中で止まると思う
キャブ詰まりしちゃってたら、もうボクでは治せないから」
「じゃあ悪いけどお願いしちゃうわ、そこの壁の使ってね」
サカタさんが指差す場所には作業で使う胴つき長靴がありました
「お昼ごはん作っときますから、終わったら中まで上がってね」
ボクは胴つき長靴に履き替えて作業を開始しました
調子は良さそうです
少しハンドルの固定が緩んでる気がする
作業が終わってから締めておかないと
坂の上から先に刈っていき、
残りの下半分を刈るためにまわり道して畑のあぜを歩いて行きます
水路越しに進んで、ようやく坂の下側に回り込めました
残りを刈っていきます
斜面に足を踏ん張りながら、切った雑草を左へ左へと送っていく感じ
職場の駐車場のような平面と違い、草丈も長いし、
刃に絡みつく量も多いのですが、いつものように絡みつきを取るために一度エンジンを止めたりするスペースがありません
できるだけ絡まないように刈る時、高さを変えながら刃の先端、真ん中、根本あたり
と何度も軽めに刈っていきますが、余計な時間が掛かっている気もします
やってみて、斜面はタイヘンなんだな、と気付かされる
足場が斜面というだけでなく、水路がジャマして動けるスペースも限られています
ある程度刈り終わったとき、
溜めた雑草で足を取られてバランスを崩してしまいました!
「あっ!」
と思った次の瞬間、ボクは片足を水路に落としてしまい、尻もちをつくようなカタチになってしまいました
ガリガリガリガリッッッ!!!!
回転する刃が地面に当たり、大きな音を立てます
ボクは危険を感じてハンドルのストップボタンを押しました
あーあ、落ちちゃったな
と思ってたら斜面の上からサカタさんの声がします
「だ、大丈夫っ!? ケガしてない?」
大きな音を聞いて慌てて飛び出してきたようです