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パートさんの頼み事 〜アイリスの色香〜【完結】
第5章 パートさんの明るいお手伝い
「…さぁて!」
とウスイさんは腕まくりをするフリをします
半袖のTシャツでしたが
そのままキッチンの洗い物を始めました
「え? いいですよ! 自分でやりますから!」
「ジロウくん片腕じゃないの、いいわよこれぐらい
それよりさっきのスプーン持ってきてよ」
と言われたので部屋に戻ってコンビニスィーツを食べる時に差し出したスプーンを渡しました
「すいません、ありがとうございます」
「片腕だし、それも利き腕でしょ?
ここはいいから、座っといてよぉ」と明るく言われました
まぁ、ここはお願いしようかと思い、すごすご退散します
洗い物なんてそんなにないのですぐに終わるでしょう
すると部屋のドアからウスイさんが呼びかけてきます
「まだこの時間だったら、洗濯機回しても怒られないでしょう?」
「え? いやいや、もういいですって!
そこまでしてもらわなくったって!
自分で出来ますから!」
「いいのよ、そのつもりで来たから」
「ウスイさん、こんな遅い時間まで出歩いてて大丈夫なんですか? 家に子供さんも旦那さんもいらっしゃるでしょう?」
「大丈夫よ、うちの実家に預けてあるから!
それに旦那は今日は会社の人たちとビアガーデンに行ってるのよぉ!」
ふうん、と思いながらも
〈じゃあ、家で一人でゆっくりしといたらいいのに〉
と思ってました
あまりボクとウスイさんがふたりで話すことは無いので、ちょっと聞いてみたいことがありました
こんなときしか、聞けません
「ウスイさん、バイト君と本当に仲がいいよね」
「気が合うのかな? あのこもぼんやりしてるから
わたし高圧的な人が苦手だから!」
「店でもいつも2人で喋ってるし、いつも仲がいいなぁと思っててさぁ」
「ジロウ君だって、いつもサカタさんと喋ってるじゃない!?
ああ、あれはイジられてるのかな?」
アハハハ、とウスイさんは嗤っていましたが、
ボクはサカタさんの名前が突然でてきたので驚いてしまいました