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居酒屋 かとう ※大幅に編集しました。
第1章 『文香』
今まで色んな闇客がいたが、文香のようなタイプは初めてだった。
以前から店に足を運んでくれていた常連でもあり、普段の明るくて真っ直ぐな性格の文香を、今目の前にいる「正直になった女」と照らし合わせる事は難しかった。

「本当の文香ちゃんはどっちなのかな。俺には無理してるように思えるんだけど…」
「さっきも言ったでしょ?今夜は素直になるって。今の私が本当の私。マスター、今の私を見て。」

そう言いながら文香は、濡れて張り付いたパンツの中に自分の手を入れ、卑猥な音を立てながらクリトリスを弄り始めた。

「う…っううっ…。そんなに我慢…ん…できないよ…。さっ…きから疼きすぎちゃって…泣いちゃいそう。。」

時折ビクンッと跳ねるように身体を震わせながら、立ったままガニ股でクリトリスを刺激している文香を見て、マスターは短くなったタバコの火を消した。

おもむろに文香の背後へ立つと、マスターは力強く文香を抱きしめた。
文香は唖然としているが、指はピチャピチャと音を立てながらクリトリスを刺激し続けている。

マスターは後ろから、文香の耳元へ唇を寄せると
「好きにさせてもらうよ。」
とだけ伝え、そのまま抱きしめ続けた。

文香の目からは大粒の涙がこぼれたが、自分でも何故泣いているのかわからなかった。

カウンターにぼんやりと灯る照明は2人の影を重ね、その1つになった大きな影は、壁に打ち付けられていた。

タバコの臭いと人の温もり。
そして、虫かごに捕らわれた蝶々。

必死に声を押し殺して泣く文香は、まるで健気な少女のようだった。
マスターは文香の手首をそっと握り、その手を自分の口へとゆっくり運んだ。
文香の視線は自分の手を追い、マスターの口に釘付けになっている。

今まで感じたことのない感情だった。
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