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駆け込んだのはラブホテル
第3章 秘密の共有
「僕もです」
考える間もなく、そう返していた。
今度は桜木が驚く番だった。
「え! そうなんですか」
「まあ……。社内の人間には、誰にも言ってないので内緒ですよ」
「内緒、ですか」
桜木が、へへ、と笑った。
「何ですか」
「いえ、守屋さんの秘密知れたの嬉しいなと思って」
年甲斐もなく。
守屋の心臓がきゅっと締まる。
照れたように頭を搔く桜木の笑顔の下の、ワイシャツが張り付いて浮き彫りになったデコルテを、桜木は隠そうともしない。
下着の形がくっきりと見える。
昼間はきっちりと閉めていたワイシャツの第二ボタンを、暑かったのだろうか、桜木は一体いつの間に外して、その間からは――駄目だ。
無理やり視線を引き剥がす。
守屋は、表情と、膨らみかけたズボンを隠すために両肘を膝について前かがみになった。