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駆け込んだのはラブホテル
第3章 秘密の共有



 まるでアダルトビデオみたいな展開に――期待しているなんて、そんなことはない。決して。一切。



 そんな守屋に気づかず、桜木が続ける。

「では、守屋さんもここで一緒に泊まるしかなくなったということですね」

「……さすがにそれはまずいので」

 守屋は、素直にイエスと答えるわけにはいかなかった。

「ちょっと、方法を考えます」

 それに対して、桜木はもっと楽観的だった。

「いいじゃないですか、この雨の中、また守屋さんに移動させるのは申し訳ないと思っていたところです」

「……肝が据わってますね」



「だって、守屋さんですから」

 桜木が軽々と言う。

「一晩一緒に過ごすのが嫌な人ではないですし」



「それは……」

 光栄な言葉ではあるけれど。


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