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駆け込んだのはラブホテル
第6章 寝顔に我慢できなくて
守屋が乗った分、ベッドが沈み込んで桜木の身体が少し傾いだ。
桜木が起きたのではないかと、守屋はその場で動きを止めて息を顰める。
しかし、桜木はそれ以上動かなかった。
守屋は、更にもう片膝もベッドに上げて、桜木の隣に膝立ちになった。桜木はやはり起きなかった。
「桜木さん」
やはり返事はない。
桜木の形のいい唇は、柔らかく閉じられている。
守屋の呼吸が、徐々に荒くなっていく。
守屋の手は、気づけばバスローブの上から自分の下半身を抑えていた。いつの間にか、そこはもう充分に勃ち上がっていた。
「……っ桜木さん……っ」
守屋はベッドに座り、桜木の首筋に顔を近づけた。
守屋と同じシャンプーの香りに紛れて、さっきソファに座っていたときに香った、桜木自身のにおいが漂う。
もっと。
もっと、嗅ぎたい。もっと、見たい。
守屋は自分の寝巻きの裾から手を入れ、下着を下ろし、硬くなったそれを直接握った。
守屋は、下半身を擦っている手ともう一方の手を、桜木の向こう側につく。
桜木に覆い被さるように、桜木の顔を真上から見る。
寝巻きの襟元から覗く鎖骨は、すぐに折れそうなほど頼りなく見えた。
そしてその下には、柔らかそうな、滑らかな曲線を描く丘がふたつ、
「……桜木さん……っ」
いつもひとりで自分を慰めるときに無意識に呼んでいる名前を、はじめて、本人を目の前にして呼んでいる。
すでに、妄想と現実の区別すら曖昧になっていた。
「……桜木、さ……」
熱い息が、桜木の首筋に掛かる。
その瞬間、桜木が身じろいだ。ひやりと、悪い予感が守屋を襲った。