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駆け込んだのはラブホテル
第6章 寝顔に我慢できなくて



 体勢を変えられない守屋は、走ったあとのように息を弾ませながら、桜木の目を見た。
その目は閉じられていたが、眠っているときのような閉じ方ではなく、力を込めて瞑っているようだった。
常夜灯の下で、頬が赤く染まっているように見えた。



「……いいんですか」

 守屋が囁くと、桜木が枕に頭を載せたまま、微かに頷いた。

 萎えかけていた守屋のペニスが、今までの人生でいちばんやる気を出していた。
すでに先っぽは濡れて、寝巻きの内側を汚していた。
守屋がもう一度それを握ると、待っていた快感が全身を巡った。

「ごめんなさい……っ」

 守屋の手はそれを擦り続けた。
彼女の耳元に顔を近づけようとすると、髪が守屋の頬を掠めた。
それだけで、守屋には充分だった。
桜木に触れたかったが、寝ている女性に同意もなく触れる気概は守屋にはなかった。

「あ、あ……やば、出るっ、」

 守屋は桜木の指を振りほどいて、慌ててベッドから這い出した。
トイレで、と思ったが、間に合いそうになかった。
守屋はベッドの上で膝立ちのまま、枕元にセットされていたボックスティッシュから、ティッシュを何枚も乱暴に引き出してペニスの先に当てた。

 さっきも出したはずなのに、同じぐらいの量の白いものが、ティッシュを湿らせた。



「……ああ、」


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