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駆け込んだのはラブホテル
第12章 帰りたくないです
格好つけて我慢してきたが、守屋だって男だった。
この一週間、何度桜木の一瞬の裸を思い出して抜いたか。
「私、はじめからずっと、いいよって言ってるじゃないですか」
桜木が、掴んだ守屋の服の裾を引く。
そのか弱い力に、守屋の体はあっけなく揺らぎ、一歩、二歩、桜木に近づく。
桜木が、守屋の胸に体を寄せる。
「どうして、逃げるんですか」
守屋の心臓は早鐘を打っていた。
桜木には恐らくそれが聞こえていた。
守屋は桜木をそのまま抱き締めてしまいそうになって、肩に置いた手に力を込めて耐えていた。