この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
駆け込んだのはラブホテル
第13章 はじめての
「襲わないでくれてよかったかも。私、守屋さんにちゃんと大切にされてるって思ってる」
「……できてないよ」
寝ている女の子をオカズに隣で自慰をするのは、普通に、アウトだろう。
「私がいいって言ったんですよ」
「……そうだったっけ」
もう、何が何だかわからない。守屋はどうでもよくなって、桜木の唇に、啄むだけのキスをした。
「触ってもいいですか」
鎖骨の更に下に、手を近づける。桜木が、電気消して、と小さくねだるので、守屋は桜木に覆い被さったまま枕元に手を伸ばし、部屋の明かりを常夜灯にした。
「もっと暗くなりません?」
「そしたら、見えなくなっちゃいますよ」
「見えなくなってほしいから言ってるのに」
「……俺は、見たいんだけど」
桜木が不服そうに黙った。
「……わかりました。我慢します」
守屋がすぐに折れた。
常夜灯も消し、部屋は闇に包まれた。
明かりといえば、ライトの位置を示す夜光塗料だけになった。