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君と偽りのドライブに
第20章 2‐9:続き



 たぶん、私がイクまで彼はやめてくれない。
だったら、さっさと終わらそう。



 彼の指がいいところに当たるように、私はちょっとずつ腰を浮かせる。
哲弥は私の意図がわかったようで、私の誘導する方向へ指を動かしてくれた。彼の指が、ようやくGスポットに辿り着いた。



「ここ……ここか」

 くぐもった彼の声に、私は頷くけれど、彼には見えないんだった。
そう仕向けたのは私だ。かといって、口でそこが気持ちいいなんて言うのは恥ずかしい。



「有紗……気持ちよくなって」

 彼がゆっくり優しくそこを擦るのがもどかしくて、私は腰をくねらせた。
彼は顔を上げて、私を見た。私は恥ずかしくて顔を逸らす。



「……有紗」

 彼は困ったような声を出し、ああ、ただただ真面目に私のことを思ってくれてるだけなんだこの人は、とわかっているはずなのに、それでもどうしても恥ずかしくて――



「可愛い」

「……は!?」

「ここがいいって言えないのに、自分で腰動かしちゃって、超可愛い」



「ばっ……ばかばか! なんでそんなことっ」

 私の抗議は中断された。



 彼が突然私の胸の突起に、ピンポイントでキスをした。

「……ぁんっ」

 どうして。ブラウスを下ろしていたはずなのに、と視線を下ろすと――



 これで隠せていると思っていたなんて、ばかみたいだった。
ホックを外されたブラが鎖骨のあたりに追いやられたままなので、ピンと立った頂きが、ブラウス越しでも丸わかりだった。


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