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君と偽りのドライブに
第2章 1‐1:突然のディナー
こんな場所に予約までして誘っておきながら、哲弥はデザートが来るまで何も言い出さなかった。
目に見えてそわそわしているのに何も言わない彼に痺れを切らして、結局私が会話のお膳立てをしてやることになる。
世話が焼けるんだから、まったく。
「で、今日はどうしたの?」
デザートのアイスにスプーンを突き刺していた彼が、ぴくりと動きを止める。
「だいじな話? 急にこんな店に呼び出して。相談なら聞くよ?」
「……有紗、」
そこまでせっついて、彼はようやく口を開いた。
「今、彼氏いる?」
――心臓がどくんと鳴った。