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君と偽りのドライブに
第12章 2‐1:デート
「それにしよう!」
「ラーメン?」
「じゃなくて、ピクニック! サンドイッチ買ってくる」
シートベルトを外して車を下り、目の前のコンビニに入る私を、慌てた様子で彼が追ってきた。
「そんなんでいいの」
「そんなんじゃ、だめ? 私は楽しそうだと思ったんだけど」
サンドイッチの棚に向かう。
フィルムに包まれた三角形のサンドイッチはたまに仕事のお昼に食べるけれど、今日はタッパに入った、ちょっと高めのサンドイッチにしてみようかな、いつもより奮発して。
「いや……コンビニとか……初デートなのに」
私の隣に落ち着きなく立つ彼の声は、後半ごにょごにょと聞こえづらくなっていったが、何が言いたいかはわかった。
まったく、ほんと、真面目なんだから。