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君と偽りのドライブに
第16章 2‐5:蛍光灯のついた部屋



「電気……消さない?」

「……何で?」



 な、何でと言われても……。

「……恥ずかしい、から……」

「……有紗の裸なら見たことあるよ」

「いつの話してんのよ!」



 そりゃまあ、哲弥の家の庭にビニールプールを出してもらったときなんか、哲弥も私も香澄ちゃんも一緒に着替えたけども!

 小一ぐらいまでの話だ。



「そうだね」

 間髪入れない私のツッコミに哲弥はくっくっと笑って、そして、また私の肩に顔を埋めた。



「だから、見たい。今の有紗は知らないから」

「……っ」

 くぐもった声とともに、吐息が首筋に掛かる。



 ――哲弥って、こんな直球に、そんなこと言う人だったっけ!?



 いや、彼の本質は何も変わっていないのだ。
真面目で、バカ正直で、優しい。
けれど、こんな方向性でそれを向けられるのははじめてだったから、



 ……耐えられない。

 爆発してしまいそうだ。


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