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君と偽りのドライブに
第16章 2‐5:蛍光灯のついた部屋



 そんな私の気も知らず哲弥は、

「それとも、今まで一度も、電気つけてシたことない?」

「そ、そんなことはないけど……」



 私は一瞬答えに詰まる。

「そういう話、聞きたくないんじゃないの?」

「別に。有紗の恋愛事情はそこそこ知ってるし」

 哲弥が顔を上げながら、平坦な口調で言った。



 まあ、彼氏ができるたび私は哲弥に報告していたし、相談をすることもあった。

そんなとき哲弥がどんな顔をしていたのかは、もう思い出せない。



 哲弥が話を戻した。

「電気、消さなくていい?」

「う……それは……」



「……他の男には見せるのに?」

 哲弥の声のトーンが一瞬下がった。



 そんな言い方しないでよ、と拗ねようと思ったけれど、哲弥がわざと意地悪な言い方をしたのはわかったので、やめた。



「だって……哲弥じゃん」

「俺だから、何?」

「だって、哲弥は他の人と違って、昔からずっと……友だち、でさ。それこそいろんなこと知ってて、子どものころは一緒に着替えてもぜんぜん気にしてなくて……」



 私の抗弁を哲弥は黙って聞いていたけれど、やがて息をついて、私の上から降りた。



 ベッドから離れ、部屋の入り口に向かう彼が、電気を消しに行ってくれたのかと思っていた。

「送ってく」

「……へ?」

「今日は帰りなよ。送ってくから」



 そのまま玄関に向かい、棚の上にさっき置いたばかりの鍵を取る彼に――

 ――待って待って待って。


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