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君と偽りのドライブに
第17章 2‐6:ぜんぶ知りたい
「いい子だったんだけど。今でも別に、普通に仲間うちで会ったりもするし。今となっては、悪いことしたなって思ってる。その子にも、有紗にも、自分にも」
つらいことを思い出させてしまったんだろうか。
申し訳なくなって、私は哲弥と同じように体を起こした。
「……まあ、そのころは俺も必死だったから……ってのは言い訳だけど、同じようなことをあと何回か繰り返すまでは、自分がやってるのはよくないことだって気づきもしなかったよ」
哲弥は、ベッドの上に座った私にそっと体を寄せて、さっきとは打って変わって柔く、抱き寄せた。
「自分がつらかったから。有紗のこと忘れたくて、間を繋がなきゃって必死で」
私は、本当に何も知らなかった。
大学生のときも、哲弥とはたまに遊んでいた。
哲弥がどんな気持ちで私と会っていたのか、その裏で何をしていたのか。
哲弥はぜんぜん自分の恋愛の話とかしないから、何もないんだろうし、興味ないんだろうと思っていた。
「……ごめん」