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12歳年下の彼に看病される話
第5章 芸術の秋…とかしてみたり
差し出された手を巴が取ると、
手を繋いで、建物までの道のりを歩く。
「でも…、また
後期の展示も見たいんじゃない?
公式のHPを観たけど、
展示内容が変わるんでしょ?
前期と後期で入れ替えになるって…」
『そうなんですよ、後期の展示は
来年の1月の21日までやってますから。
慌てて行かなくても、来年の1月にでも。
あ、その…勿論、
巴さんが嫌でなければ…ですよ?』
港斗の言葉に巴が自分の首を小さく振って。
ぎゅっと繋いでいた手を握った。
「ううん、一緒に…観に来たい。
港斗君が興味ある物とか、
好きな物とか…私も…知りたいし
一緒に観たいな…って思うから…」
『なッ…、と…巴さん…ッ、
そんな事…今…言うの…狡いですよ?
こんな場所じゃ…、キスも出来ないし、
巴さんを思いっきり抱きしめる事も
出来ないん…ですから……ね?』
そんな感じに恨めしそうに言われてしまったが。
私は別に…、美術館とか嫌いじゃないし。
一緒い美術館来てくれる、彼氏が出来て。
嬉しいなって思った…だけ…なんだけど…な。
「チームラボ…の展示会…楽しみね…」
『今度…あそこに行きましょうか…?
水族館とデジタルアートが融合してる、
劇場型アクアリウム…。割と
生き物が可愛そうってレビューも
あったりして、賛否両論ではあるんですが…』
そんな話をしながら、美術館の入口で
観覧料である一般1500円を支払って。
港斗君がみたいと言っていた
チームラボの展示…を楽しんだのだが…。
港斗君が興味あると言って、
観に来たはずなのに…、
こっちが…圧倒されてしまって。
かなり気分を高揚させてしまって居て。
「お花、お花が凄かったね…ッ。
自分が小人になったみたいだった…」
『そうですね、あそこの展示、
巴さん気に入ってたみたいですもんね。
何か、後期の展示には、自分の
スマートフォンに作品を移して
持って帰れるのがあるらしいですよ?』
お寺とか池でイベントしたりして、
斬新な事する所だとは思ってたけど。
その発想は無かったと言うか…。
「お持ち帰り…できるの?」
『らしいです…、興味ありますか?』
港斗が後期の展示の説明をしてる
ページをスクロールして見せてくれて。
「蝶々…綺麗だな…、蝶々見たいかも…」
『じゃあ、後期の展示も…観に来ましょうか』