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12歳年下の彼に看病される話
第6章 11月の出来事

寝室で寝ていたはずなのに…、
自分の身体は…リビングにある。
港斗君が泊まりに来た時に、
一緒に寝ている…あの…、
脚付きのマットレスの上にあって。

私は…リビングの天井を眺めていてのだが。

それも…いつの間にか、
脚付きのマットレスには…
あったか素材の…マイクロファイバーの
ボックスシーツがキチンと掛けられて居て。

私の身体は…その…、
この前までそんな物は無かったはずなのに。
秋冬仕様になった、そのマットレスの中央に
キチンと…寝かされていて。

周囲から…あのビーズクッションの
猫ちゃん×5匹に見守られていた。

『あ、巴さん…目が醒めましたか?
良く寝てたみたいなので、
声掛けなかったんですけど…』

「これも…全部…港斗君がしたんでしょっ
って!港斗君、何でッ…マスクして無いのッ
インフルエンザだって、言ったのに」

『ああ、それですか?
インフルエンザだって事は、
ちゃんと前もって巴さんに聞いてたので、
備えあれば患いなしですよ?
ちゃんと、僕は対策済みですからね』

誰がどう見ても彼は…ノーガードにしか、
私の目には見えないのだけども。

「それって…、もしかして…。
風邪は…、誰かに
うつしたら治るとかって…」

そんななんの根拠もない話を
持ち出して来るつもりなのかと。
巴が…自分の身体に掛けられていた
綿入りの毛布で口元を覆いながら。

キッチンで、何かを作っていた
港斗に対してそう尋る。

『まさか…そんな…話、
巴さんも本気にしたりしないでしょ?』

「じゃあ、対策済みってどう言う事なの…?」

インフルエンザの予防接種をしてても、
インフルエンザに罹ったって聞いた事あるし。

『巴さんは…予防投与ってご存じですか?
自分の身近な人にインフルの人が
出た時とかに、発症を予防するのを
目的として、保険適応外の自己負担で。
インフルの治療薬を使用する事なんですけどね…』

「インフルになる前に、
インフルのお薬飲むって事?」

『ええ、そうです。そうすれば
もし…インフルエンザのウイルスが、
体内に侵入してる状態でも。
インフルエンザを発症することは無いので』


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