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12歳年下の彼に看病される話
第6章 11月の出来事

『熱は大丈夫そう…ですか?巴さん』

「うーん、熱い感じはすけど…」

夕飯の後にもう一回
体温を測定してみたら、38.6℃で。
病院で貰った、喉のお薬と。
発熱時の頓服のカロナールを飲んで。

もう15時にシャワーは済ませていたので。

歯磨きだけして、リビングの
脚付きのマットレスの上にもそもそと
上がってゴロンと横になると。
キッチンから片付けを終えた港斗君が
脚付きマットレスの傍らに移動して来て。

『巴さん、熱いですか?寒いですか?
寒いなら、もう一枚、シングルですけど
毛布あるんで、足しますよ?
ここに…いつでも飲めるように
ペットボトルのお茶置いときますから。
熱かったら、毛布…足元にでも
蹴り飛ばして貰ったらいいんで…』

そう言いながらこっちの頭を
よしよしと片手で撫でながら。
反対の手で、こっちの身体に
掛けていた布団をキチンと
肩まで隠す様に掛けられてしまって。

布団の上からトントンと…
その手で叩かれてしまう。

「寝かしつけようとしてる?」

『沢山食べて、沢山寝るのが一番ですよ。
今なら…おやすみなさいのちゅーも
オプションで、サービスしてますけど?
どうですか?お客様。
オプションの方、無料ですが…。
如何なさいますでしょうか?』

「……キス…しても…、大丈夫…なの?」

自分がインフルなのに…、
大丈夫と言われても…彼に
うつらないのかって心配になって。
巴が…そう…、確認する様に
港斗に…恐る恐る尋ねると。

『ええ、大丈夫ですよ?巴さん。
勿論…キスだけじゃなくて…、
キス以上の事…しても…ね?』

そう言いながら…、ちゅぅ…っと
触れるだけのキスを、
巴の頬に港斗がして来て。
ちゅ…っ…、ちゅ…と…
小さなリップ音をさせながら。
巴の頬に…キスをして行く。

そのキスが…少しずつ…内側へと
移動して行って、ちゅ…と、
巴の唇の…すぐ横の口角に触れるか
触れないかの位置にキスをして来られて。
ビクッと…巴の身体が…小さく跳ねた。

『巴さん…』

「んっ…、ん…、港…斗…くぅ…ん…ッ」

『熱の所為…なのか…、
今日の…巴さんは、
赤くなった頬と、潤んだ瞳が
いつもよりも…セクシーに見えますね』


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