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12歳年下の彼に看病される話
第4章 巴の引っ越し
巴が同じマットレスのはずなのに、
高さが違うからなのか
中々寝付けなくて、ゴロンと
マットレスの上で寝返りを打った。
両親と…妹には…明日は
友達が引っ越しを手伝いに来てくれると
港斗君を彼氏ですとは…言えずに
そう説明をしてあるから。
明日…港斗君が来たら、
何を言われるか分からないのだけども。
まぁ…ジムで一緒になるお友達と言えば…。
そうなんだ…で…騙されてくれないかな…。
明日の事を考えると…
何とも不安になりそうだけども…。
平日の内にちょこちょこと…
あっちに荷物を運んでおいたお陰で。
明日は…そんなに…時間も掛からないかもな。
ーーー
ーー
ー
引っ越し当日の9月16日、
その日は…すぐに荷物を運べるように。
カーポートの下にブルーシートを広げて。
朝からお父さんと一緒にベッドの
パーツを運んでその上に並べて。
この上の物を運んで貰う感じで、
荷物を部屋からこのブルーシートの上に
妹は…妊娠してるから手伝えないから。
お父さんと一緒に手分けをして運んでいた。
約束をしていた10時の10分前に
電話が港斗君から掛かって来て。
『お姉ちゃ~ん…LINE電話~、
さっきから着信来てるよ~』
荷物を運んでいる内に、
ブルーシートの上にスマホを落としていた様で。
鳴ってると言われて、港斗からの着信に気が付いた。
もとい、スマホを落としていた事に気が付いた。
同じ様な家が並んでいるので、
どの家か分からなかった様で。
この辺りは同時期に建てられて
売りに出されてた一角だから
似た様な屋根と壁紙の家が数軒
並んでいるから、分からないのは
当然なのだが。巴が家の前に出ると
港斗の電話の向こうで『あそこじゃない』と
港斗とは違う声質の声が聞こえて。
こちらに向かって来る軽トラックには、
運転席に港斗君と、助手席にも誰かが居て。
軽トラックに乗って来たのが、
同級生とかじゃなくて
明らかに同年代ではない若い男で
お父さんもお母さんも…驚いていたのだが。
一番びっくりしていたのは妹の千冬で。
『えええっ!引っ越し手伝ってくれる
お姉ちゃんの友達って、生田クンだったの?』
『いえ…僕は…、巴さんと
お付き合いをさせて貰って居ますので。
あ、巴さんのご両親ですか、初めまして』