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12歳年下の彼に看病される話
第4章 巴の引っ越し
第1便の…引っ越しが済んで
戻って来た港斗と奏多と一緒に。
ふわふわの玉子たっぷりの
シフォンケーキを頂いて。
残りの荷物を軽トラック積み込むと。
乗り切らなかった分を、お父さんの
乗用車に積んで貰って。
私を乗せて貰って、アパートへ移動して。
お父さんが…ばらしてくれたベッドを
組み立て直してくれて。
私は、キッチンの棚の中にこの前の
IKEAで買った皿をしまったりしていた。
そんな事をしている間に、
お昼の時間になって
近くにある町寿司の出前を
港斗君が頼んでくれて。
1人前ずつになっている
小さな桶に入った握り寿司で
確かにお寿司の出前なら…
キッチンも汚さないし
桶もそのまま返却で良いらしいので
洗い物しなくていいし…港斗君
ナイスだなぁと…年下ながらに
良く出来た…彼氏様だと…感心しながら。
回転寿司とも…高級寿司屋とも違う。
余所行きじゃないけど、
美味しいお寿司を頂いて。
港斗君は一度弟さんと軽トラを
家に返却しに行くと言って、
受け取りをする3時には戻りますと言って
アパートを出て行ってしまって。
段ボールが無造作に置かれた
アパートにお父さんと2人だけになる。
『騙されてるんじゃないのか?
恋人を…良い歳してるんだから、
さっさと作れ作れとは言ったのはこっちだが
幾らなんでも、あの彼じゃ…。
お前に…は…若すぎないか』
あの…スイーツパラダイスの3人組が
私と港斗君に抱いた印象と
同じ様な印象を…実の父親にも
抱かれてしまって居るのだろうなと。
その言葉から…巴は悟ってしまったのだが。
「それは…お父さん…、
こっちが彼に聞きたい位だよ。
だから…付き合ってる…って言えなくて…」
『いつから付き合ってるんだ?』
「え…と…、8月の終わり…から…」
『まだ…1ヶ月もお前と
付き合って無いのに。あの彼は
お前と結婚や同棲を考えてるのか?』
その父親の言葉には、
若干の呆れの様な意味合いも
感じ取る事が出来た。
「だから…、私も…無理があると
思って…。付き合って欲しいって
言われた時も…断ったりとかしたんだよ?」
このリアクションが…
普通のリアクションだよ。
彼みたいな…相手に
不自由無さそうなイケメンが…。
何を好き好んで、私みたいな…。
アラサーとアラフォーの…
間みたいな歳をした女と…って。