この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ジュエリー
第3章 蜜月、そして酷愛



「世界が望むこと、好むことなら何でもするよ。結婚なんてままごとも、男の身体にだって触る。あたしは変わったかも知れない。世界と同じ……変わらないものなんて何一つないから、あたしも変わるの。貴女だけがまこと。硬質な珠玉はいつまでも光り続けるの。他の何もかも嘘で構わない。貴女と別れて、あたしは一度、息絶えた。本当に死にたくなった、……どうやって死のうか考えていたら、放蕩息子の顔が浮かんだ。どうせ死ぬなら少しくらい良い思いを味わってから。あたしの命は最後の、──……。あたしは殺されれば殺された分、宝石と一緒にいられる。宝石のためなら何でもする。貴女を見捨てて死ぬなんて、……二度とそんなことしたくなかった」


「──……」


 腕と腕とが交差する。珊瑚は宝石の首筋に頬を預けて、宝石の重みを肩に得る。


「珊瑚、……珊瑚」


 幻ではないかと疑るほど近くで、宝石のメゾがくぐもった。


「私は貴女のお陰で生きている。貴女がこの世界のどこかにいて……そう信じたから、耐えてこられた。いつもどこかで貴女を感じた。見えなくても、声は聞こえなくても、私の海を貴女が泳いでくれた感覚……強く、強く残っていた。貴女の言葉が耳の奥から離れなかった。私を守ってくれるのは、珊瑚だけ。もうどこにも行かないで。ずっと、ずっと、私は貴女の奥さんでいる。……」

「宝石……」


 珊瑚は小さな身体をあやす。

 きっと宝石の体内の半分は、珊瑚が営んでいる。そして珊瑚の体内の半分は、宝石が営んでいる。


「プレッシャーだよ、……」


「──……」
/50ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ