この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ジュエリー
第3章 蜜月、そして酷愛





 珊瑚は寝室に滑り込むや、後ろ手に扉を閉めながら、宝石を腰からかき抱いた。

 芳しい吐息を連れて押しつけられてくる唇、彼女のキスに縫いとめられて、珊瑚は媚薬を孕んだ薄皮を味わう。極上の木の実にありついた小鳥のごとく啄みの中、とろけてゆく意識を凝らせて、女体特有の曲線を探る。


「んっ、はぁ、ふっぁ、んんっ……」


 宝石の唇を濡らしながら、乳房を撫でる。衣服の下で、弾力のあるコットンパールが尖っていくのを、指の腹に感じる。その一点を、幾らか荒く刺戟する。

 伸びてきた片手を捕まえて、組み繋ぐ。


「宝石、んんっ、……はぁ」


 唇同士で触れたまま、二人、寝台へ移った。

 珊瑚は宝石を天蓋の真下に下ろして、しどけなく伸びた膝の脇に重心をかけた。


「珊瑚。……」


 今一度塞ぎにかかった唇が、にわかに動いた。

 火照ったアーモンド型の双眸が、珊瑚をおずおず見上げていた。


「触っては……ダメ?」

「──……」


 珊瑚は、狂おしいほど甘ったるい光に濡れた黒曜石に、無性の信頼を見出していた。

 絶対的な酷愛、崇拝……愛において欠くことの不可能な熱意が、宝石の中にも烈しくあった。


「…………」



 宝石に身体を見せたのは、随分、昔だ。何度くらいだったろう。あの屋根裏が最後だった。


 たつきの劣情をそそのかして、攻撃的な生殖器を受け入れた。そして交際、好意という空音をなるべく迅速に刷り込もうと、ひとえに係蹄のためだけに、あの子供の本能に供給し続けた。そうして戸籍上の良人となった男は、ここ数ヵ月こそ、再び友人達との交際に時間をあてているが、珊瑚の身体は、愛の供物でなかった時分同様には戻らない。
/50ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ