この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
ジュエリー
第3章 蜜月、そして酷愛





 自我などないも同然だった継母は、たつきの配偶者と関わる時に限っては、息を吹き返していた。

 傍観者の第六感にまでまといつく、いっそ禍々しいとさえ言えるほどに躍動的な肉慾は、この世の果てまで探し彷徨っても遭遇出来まい、切実な酷愛を根拠としている。

 たつきの最初で最後の女神が、宙に投げ出した脚を痙攣させて、小さなウサギにしがみついていた。ウサギは女神の肉叢をしゃぶる。骨の髄まで喰い尽くさんばかりに、貪欲で淫靡な魔法にでもかかったように、女神の泉門に呼び水をかける。


「あんっ、あああっあっ……ああん!……」


 薄紅の縁取る強気な目、日に日にきらめきの増すガラス玉は、女神にのみ微笑んでいた。宇宙はこうも広大なのに、彼女は、きっと女神が現世の全てと信じて疑っていない。

 十年前は足繁く通った女神の私室、たつきはその扉の隙間から、目が離せないでいた。

 帰宅しても細君がいない。そうした夜、彼女は大抵、父の目を盗んで、友人同士の語らいと称した愛の儀式を営んでいる。たつきは細君を追ってここを訪う。自分にとうとう得られなかった、あらゆる情熱を濾過した生気のおこぼれを漁る。

 彼女の虚偽に道化のごとく欺かれたのは、こうした甘美を啜れるだろうと期待してのことだった。彼女の空音は見抜いていた。

 たつきは、自ら嵌まった係蹄ばかりか、間抜けな父の姿も楽しんでいた。

 昔、広松は最初の細君に愛想を尽かされて逃げられた。それからというもの、博識、財力、社会的地位を盲信するようになったのだ。力ある人間は人間を力で被支配に置ける、彼は息子にそうした教えを刷り込みたがった。
/50ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ