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残り火
第4章 木曜日
 俊郎が私を抱き締める。
私も同じ温度で俊郎を抱き返す。
それはお互いの性器を擦り合わせているのと同じこと。
思い出すだけで、その圧倒的な至福感を体が思い出し、
思わず悦楽の声をあげてしまいそうになる。

 私たちは求め合っている。
求められ、与え合い、受け取って、
でも全然足りずに、
もっともっとと渇求する。

          ※

 俊郎とタクシー乗り場で再会した夜、
その一時間後には、私たちはホテルにいた。
シティホテルだったので、
ビジネスホテルかラブホテルしか知らない私が選んだ場所じゃないのは確か。
でもどっちから誘ってそうなったのか、
私も俊郎も覚えていない。
ただふたりの共通の認識としてあったのは義務感だった。
目の前の男(女)と、是非ともセックスをしなくてはならない。
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