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残り火
第5章 金曜日
朝から何度もカレンダーを確認している。
確認するたびに、口角が自然とあがるのがわかる。
お腹が温かくて、
いつもなら痛いほど冷たい手足の末端もほこほこしている。
食欲も旺盛で、朝ごはんのあとお昼まで我慢できなくて、
バナナとヨーグルトを間食してしまった。
でもいいのだ。
今日はたくさんカロリーを消費する日。
週のうちで、私は金曜日が一番健やかだ。
今日、俊郎に会える。
でも、セックスはできないかもしれない。
俊郎はもう老人と言ってもいい年齢なので、
その気はあっても体がついてこないことがままあるのだ。
でも私は全然気にしない。
ベッドで、裸同士でくっついていられるだけで十分満足できる。
まんこにちんこを入れることをセックスと言うなら、
私たちはあまりセックスを重要視していない。
性欲を満たすだけなら、
私は舌使いとくちびるの微妙な力加減で、
ちゃんと勃起していなくても俊郎を射精させてあげることが得意だし、
俊郎は見た目のごつごつした指からは想像もできないような繊細な動きで、
俊郎の思うがまま、何度でも天国へ連れていってくれる。
くちびると舌を使われると、
俊郎は私の性感帯を的確に捉えるのか、
俊郎の触れるところが全部性感帯になってしまうのか、
よくわからなくなってしまう。