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残り火
第7章 残り火
別にどうってことはない。
結果的に捨てられた形になったけど、
先に決断したのが俊郎だったというだけで、
あのまま続けていたとしても私たちに未来はなかった。
いずれ破綻して、崩壊して、
破滅していくほかに道はなかった。
別れは必然だった。
ただ、私の予想より早く訪れたというだけのこと。
別にどうってことはない。
その証拠に、私はいつもと変わらない日常を送っている。
土曜日も日曜日も、月曜日も火曜日も水曜日も木曜日も、
私はちゃんと生きている。
朝昼夜とご飯を食べ、しっかりと睡眠もとっている。
テレビを観ることもできるし買い物に出かけることもできるし、
友達とおしゃべりをすることもできる。
昨夜、ひさしぶりに久美子と会ってきた。
久美子というのは古くからの友人のひとりで、
お互いに結婚してからあまり会わなくなってしまったけど、
会えば毎日会っているような自然さでしゃべることができる。