この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
残り火
第7章 残り火
 久美子は元気そうだった。
息子の大学入試と娘の高校入試が重なって、
家のなかがぴりぴりしているそうで、
息抜きできて嬉しいわ、
と喜んでいた。
会社では課長を務めていて、公私ともに充実している。
同い年なのに私はどこか久美子を妹のように感じているので、
彼女の幸せを妬む気持ちにはならなかった。
どうでもいいようなおしゃべりをして、
少し元気を分けてもらえた。

          ※

 あれだけ俊郎にひどいことをされたのに、
俊郎を恨む気持ちが出てこない。
俊郎がどうしてあんなことをしたのか、
わからないのにわかる気がする。
まったくばかばかしいことなのだけど、
私は金曜日がくるごとにそわそわし、
夜になるともうなにも手につかなくなり、
出掛けてしまう。
いつもの待ち合わせ場所を遠くから眺める。
俊郎がきているという期待はしていない。
ただ、きていないということを確認するために、
私は虚しい外出を続ける。
/39ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ