パソコンから！ケータイから！スマホから！無料でどこでも気軽に楽しめる官能小説サイト

第2章 火曜日

　今のところまだ、夫と離婚する予定はない。
これはただのシミュレーション。
離婚届をもらうときの手順と、そのときの心の動き。
それから、どんなことを記入しなければならないのかを、
ちゃんと本物を手に取って確かめておきたかったのだ。

　離婚は未来の可能性のひとつ。
でも……

　俊郎が、一緒になろう、
と言ってくれたら、
私はそそくさと夫と別れて俊郎の妻になるだろう。
夫と俊郎、どちらかを選ばないといけないなら、
私は迷うことなく俊郎を選ぶ。
夫に未練はない。
あるのは惰性と世間体。

　今日はまだ火曜日か、とさっきからため息ばかり。
俊郎に会えるのは、金曜日の夜だけ。
どうして金曜日の夜は、
週に一度しかこないのだろう。

　ああ、俊郎に会いたい。
会いたい……