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残り火
第2章 火曜日
送りましょう。
俊郎は言い、そっと自然に私の腰に手を触れた。
いやらしい感じは微塵もなく、
私はエスコートされるまま、
自分でもびっくりするくらい、
するりと後部座席に乗り込んでいた。
俊郎が運転手さんに行き先を告げ、
道順のやりとりをしている間、
私はもうすでに俊郎から目が離せなくなっていた。
見覚えがないのが信じられないくらい、
懐かしさを感じていることに驚く。
このひととのセックスが、
どんなに素晴らしいかを知っているような気がする。
タクシーが動き出してすぐに、
俊郎の左手薬指に指輪がはまっていることに気がついた。
年齢からして、それは当然のことだとわかるのに、
心がぞわっとした。
隠そうともしていないことに苛立ちを感じた。
俊郎はそんな私に気づきもせず、
運転手さんとくだらない雑談を続ける。
その余裕たっぷりの横顔が憎たらしくて、
なんでそんなに、これ見よがしに、
堂々と見せびらかしてるのって思ってしまって、
もうはっきりとむかっ腹が立ってくることに、
私はまた驚いていた。
俊郎は言い、そっと自然に私の腰に手を触れた。
いやらしい感じは微塵もなく、
私はエスコートされるまま、
自分でもびっくりするくらい、
するりと後部座席に乗り込んでいた。
俊郎が運転手さんに行き先を告げ、
道順のやりとりをしている間、
私はもうすでに俊郎から目が離せなくなっていた。
見覚えがないのが信じられないくらい、
懐かしさを感じていることに驚く。
このひととのセックスが、
どんなに素晴らしいかを知っているような気がする。
タクシーが動き出してすぐに、
俊郎の左手薬指に指輪がはまっていることに気がついた。
年齢からして、それは当然のことだとわかるのに、
心がぞわっとした。
隠そうともしていないことに苛立ちを感じた。
俊郎はそんな私に気づきもせず、
運転手さんとくだらない雑談を続ける。
その余裕たっぷりの横顔が憎たらしくて、
なんでそんなに、これ見よがしに、
堂々と見せびらかしてるのって思ってしまって、
もうはっきりとむかっ腹が立ってくることに、
私はまた驚いていた。