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絶対に許さないからね
第11章 大事なもの
「オーロ、あたしを覚えてるかなー」

 朝から詩子は機嫌がいい。
どうやら詩子は、
おばあちゃんのことをすっかりと気に入ってしまったらしい。
兄には、昼過ぎに、と言ってあるのに、
はやく行こうはやく行こうとせっつかれて大変だった。

 駅に迎えにきてくれていた兄と適当に挨拶を交わし、
車に乗せてもらって実家に向かう。

「昼めし、もう食ったか?」

「うん、さっき駅前の蕎麦屋さんでね」

 温かいならうどんのほうが好きだけど、
冷たいのは断然お蕎麦だ。
詩子も同じ。
わたしはかやくご飯付きのもりそばセット。
詩子は冷やしきつねを注文し、
かやくご飯はシェアして食べた。
蕎麦もおいしかったけどかやくご飯が絶品で、
詩子に取られてわたしは二口しか食べられなかった。

「そうか、よかったよ。
今日はしのぶが留守でな。
なにも出てこないと思ってくれ。
コーヒーくらいなら淹れるけど」
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