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絶対に許さないからね
第11章 大事なもの
「いい子いい子」

 詩子がオーロを揉みくちゃにしている。
そうなるとオーロはわたしたちに一切興味がないようで、
わたしと兄は横を素通りしてリビングに上がった。
兄は普通を装っているが、
やきもちを妬いているのが見え見えだ。

「あいつ、詩子大好きだな」

 ひがんでるひがんでる。

「まあ、めずらしいんだろうな。
宅急便の兄ちゃんのことも好きだしな」

 素直に負けは認められんか。

「この前なんか――」

「で、わたしに見せたいものって?」

 延々と愚痴られそうで、
兄を遮ってわたしは聞いた。
涼しいリビングで、
汗を拭っていたタオルハンカチをバッグに仕舞う。
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