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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
 ふと視線を感じて顔を上げると、
とっくに拝み終わった詩子が見下ろしていた。
もう少し父と話したかったけど、
なんとなく恥ずかしくなってやめた。
詩子は明らかに、
飽きたって顔をしている。
父にもっと、
詩子を見せてあげればよかったな、と思う。
あまり帰らなかったし、
節目節目で写真を数枚送っただけで済ませていた。

 もっと会わせてあげればよかったな。
もっと思い出をつくってあげればよかったな。
もっと、優しくしてあげればよかったな……

「もう一回、おじいちゃんに挨拶してあげて」

 ふたりで並んで手を合わせる。
またくるね。

「じゃあ帰ろうか」

 使わなかった線香の残りをポーチに仕舞って、
手桶を支えにして立ち上がる。

「え、帰るの?」

 詩子は驚いた顔をした。
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