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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
「え、帰らないの?」
「せっかくここまできたのに、
おばあちゃんに会って行こうよ」
あー、やっぱりそうなるか。
実家は、駅に戻る途中だしな。
「この前、会ったばかりじゃない」
言ってみたけど、諦める詩子じゃないのはわかっていた。
十数分後には、実家の前にいた。
兄がいないのはわかっていたけど、
白と茶色のかわいい軽自動車もないので、
しのぶさんも留守のようだ。
しのぶさんだけが頼りだったのに。
母しかいないとなると、なんだか気まずいな。
そんな躊躇いを詩子が察しているわけもなく、
迷いもなく玄関のチャイムは鳴らされた。
ドアの向こうでオーロが吠え始める。
兄の足音のようには重量感のない、
しのぶさんの足音のように軽やかではない、
ゆっくりと静かな足音が微かに聞こえる。
オーロが鳴き止む。
そっとオーロの頭に手を置き、
宥める母の姿が見えるよう。
かちゃり、と鍵が開けられる音がして、
わたしは心臓が跳ね上がった。
「せっかくここまできたのに、
おばあちゃんに会って行こうよ」
あー、やっぱりそうなるか。
実家は、駅に戻る途中だしな。
「この前、会ったばかりじゃない」
言ってみたけど、諦める詩子じゃないのはわかっていた。
十数分後には、実家の前にいた。
兄がいないのはわかっていたけど、
白と茶色のかわいい軽自動車もないので、
しのぶさんも留守のようだ。
しのぶさんだけが頼りだったのに。
母しかいないとなると、なんだか気まずいな。
そんな躊躇いを詩子が察しているわけもなく、
迷いもなく玄関のチャイムは鳴らされた。
ドアの向こうでオーロが吠え始める。
兄の足音のようには重量感のない、
しのぶさんの足音のように軽やかではない、
ゆっくりと静かな足音が微かに聞こえる。
オーロが鳴き止む。
そっとオーロの頭に手を置き、
宥める母の姿が見えるよう。
かちゃり、と鍵が開けられる音がして、
わたしは心臓が跳ね上がった。