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絶対に許さないからね
第13章 墓参り
「おばあちゃん!」
元気いっぱいの詩子の声に、
あら、と嬉しそうにトーンの上がった母の声が続く。
「どうしたの?」
「おじいちゃんのお墓参り」
「お墓参り?」
ふたりのやりとりを聞きながら、
わたしは詩子の後ろから顔を出した。
頭の上にクエスチョンマークが浮いているような顔の母と目が合う。
母の顔に、ほんのわずか、
瞬きするより短い一瞬、
怯えの色が浮かんだのをわたしは見逃さない。
叱られるのを察した幼子のような。
「お父さんの墓参り。急に思い立ったの」
思わず目を逸らせてしまう。
「三回忌のときに行かなかったし、
そういえばずいぶん行ってないなって思って……」
言えば言うほど言い訳しているみたいで、
わたしはくちをつぐんだ。
オーロまで空気を読んで、
困った顔をしているように見える。
元気いっぱいの詩子の声に、
あら、と嬉しそうにトーンの上がった母の声が続く。
「どうしたの?」
「おじいちゃんのお墓参り」
「お墓参り?」
ふたりのやりとりを聞きながら、
わたしは詩子の後ろから顔を出した。
頭の上にクエスチョンマークが浮いているような顔の母と目が合う。
母の顔に、ほんのわずか、
瞬きするより短い一瞬、
怯えの色が浮かんだのをわたしは見逃さない。
叱られるのを察した幼子のような。
「お父さんの墓参り。急に思い立ったの」
思わず目を逸らせてしまう。
「三回忌のときに行かなかったし、
そういえばずいぶん行ってないなって思って……」
言えば言うほど言い訳しているみたいで、
わたしはくちをつぐんだ。
オーロまで空気を読んで、
困った顔をしているように見える。