この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
絶対に許さないからね
第14章 許したわけじゃないからね
 目を開けると、母は墓石を凝視していた。
いっそ睨みつけていると言ってもいいくらいに強い眼差し。
泣いてしまうのを我慢しているのだ。
今、母の頭の中でおそらく、
十二年間の想いが激しく渦巻いている。

 そんな母を見ていられなかった。
わたしは震えている母の肩に手を置き、
案内所にいるね、と言い置いて、
その場を離れた。
今ごろ気づいたけど、見晴らしがよく、
遠くに海が見えていた。
少し標高が高いおかげか、
吹き抜ける風が心地いい。
ところどころにプランターが置かれて、
花がきれいに咲いている。
芝生は清潔に刈り揃えられていて、
墓地じゃなかったら詩子を連れてきて、
東屋でお弁当をひろげるのも楽しそうなのにな、
なんてことをぼんやり考えた。

 案内所の中は涼しくて、
無料の緑茶が提供されていた。
海に面した壁面はガラス張りで、
集中しないと聞こえない程度の音量で、
クラシックが流されている。
お茶は無料にしてはいいにおいがした。
墓地なんて陰気なところって決めつけていたけど、
ここは明るく、静かで気取っていなくて居心地がよかった。
/189ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ