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絶対に許さないからね
第2章 平和な時間
 残ったお湯でインスタントコーヒーを作り、
ちょっと休憩。
朝から旺盛な食欲を見せる愛しい我が娘。
目はわたしに似て大きく、
鼻筋は銀ちゃんの母親に似たようだ。
今はまだ顔の大人っぽさに言動と体型がアンバランスだけど、
あと五年もすればさぞ美人ができあがるだろう、
なんて想像するのが楽しい。
わたしはでも、親バカではない。

「美香ちゃん、なんか忘れてない?」

「その美香ちゃんっての、やめなさい」

 いくらかわいくても、叱るところはきちんと叱る。

「もう、なによ。
ママって呼ぶなって言うから変えたのに。
じゃあなんて呼べばいいのよ」

 不服そうな顔もまたかわいくて、
もっと理不尽なことを言ってやりたくなる。

「お母さんって呼べばいいのよ」

 コーヒーを一口飲んでから言った。
豆から淹れたちゃんとしたコーヒーより、
わたしはインスタントのほうが好きだ。
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