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絶対に許さないからね
第3章 母のワンピース
昔、もうずいぶん昔、
まだわたしが母と仲がよかったころ、
母に買ってもらったワンピースだ。
襟と袖のところにふりふりがついている。
あのワンピースを詩子に着させたりなんかしたら、
母のことを許したというメッセージと取られ兼ねない。
「えー、なんで? 今度ね今度ねって、
いつになったら着させてくれるの?」
「まだ詩子にはサイズ合わないわ」
苦し紛れに言う。
十歳にしては背の高い詩子とちびのわたし。
身長が追いつかれるのは時間の問題。
「平気だよ。この前合わせてみたら、
おかしくなかったよ」
反論され、わたしはかっとなってしまった。
「わたしがいないときに、
わたしに内緒で着たのね、悪い子っ」
「着てない着てない。
美香ちゃんだめって言うから、
着てないよ。でもちょっと、
体の前で合わせてみるくらいいいじゃない」
まだわたしが母と仲がよかったころ、
母に買ってもらったワンピースだ。
襟と袖のところにふりふりがついている。
あのワンピースを詩子に着させたりなんかしたら、
母のことを許したというメッセージと取られ兼ねない。
「えー、なんで? 今度ね今度ねって、
いつになったら着させてくれるの?」
「まだ詩子にはサイズ合わないわ」
苦し紛れに言う。
十歳にしては背の高い詩子とちびのわたし。
身長が追いつかれるのは時間の問題。
「平気だよ。この前合わせてみたら、
おかしくなかったよ」
反論され、わたしはかっとなってしまった。
「わたしがいないときに、
わたしに内緒で着たのね、悪い子っ」
「着てない着てない。
美香ちゃんだめって言うから、
着てないよ。でもちょっと、
体の前で合わせてみるくらいいいじゃない」