この作品は18歳未満閲覧禁止です

- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
絶対に許さないからね
第4章 愚かな母

「とりあえず冷たい麦茶出してくれ。
母さんは?」
「まだはやいですよって言ったんだけど、
もう着替えて仏壇の前に」
母の話題になり、
改めてすぐそこにいるのを意識してしまって、
心臓をたわしで擦られているような嫌な感じがした。
靴を脱いで上がりこみ、
しのぶさん、オーロ、兄、詩子、
わたしの順でリビングに入った。
キッチンで、しのぶさんが麦茶を用意してくれている。
兄はソファに座りオーロを呼んでいるが、
オーロはしのぶさんの足元で、
しのぶさんを見上げていて兄の呼び掛けなどガン無視している。
オーロくん父ちゃんにも愛をおくれよ、
と嘆き口調で兄が言うと、
しのぶさんはくすぐったそうに笑い、
オーロの頭をそっと撫でた。
なるほどマザコンになるのも頷けるなってくらい、
それはそれは優しい仕草。
わたしたちに麦茶を出してくれたしのぶさんが、
グラスひとつだけ乗せたお盆を持って立ち上がろうとするのを、
兄が止めた。
母さんは?」
「まだはやいですよって言ったんだけど、
もう着替えて仏壇の前に」
母の話題になり、
改めてすぐそこにいるのを意識してしまって、
心臓をたわしで擦られているような嫌な感じがした。
靴を脱いで上がりこみ、
しのぶさん、オーロ、兄、詩子、
わたしの順でリビングに入った。
キッチンで、しのぶさんが麦茶を用意してくれている。
兄はソファに座りオーロを呼んでいるが、
オーロはしのぶさんの足元で、
しのぶさんを見上げていて兄の呼び掛けなどガン無視している。
オーロくん父ちゃんにも愛をおくれよ、
と嘆き口調で兄が言うと、
しのぶさんはくすぐったそうに笑い、
オーロの頭をそっと撫でた。
なるほどマザコンになるのも頷けるなってくらい、
それはそれは優しい仕草。
わたしたちに麦茶を出してくれたしのぶさんが、
グラスひとつだけ乗せたお盆を持って立ち上がろうとするのを、
兄が止めた。

