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絶対に許さないからね
第5章 自分だけの世界
「オーロだってさ、
人間大好きって感じで全力でぶつかっていくのに、
おばあちゃんには遠慮がちに、
鼻先でちょんって挨拶しただけだったよ」
意外とよく見ている。
一日ごとに大人になっていく詩子。
「そりゃあオーロだって、
遊んでくれそうなひとかどうか見分けるわよ」
「ああ、そっか。
そういうことかー」
詩子が納得してくれたので、
わたしはほっとした。
まだ単純でよかった。
でも、いつまで詩子に隠しておけるだろう。
母の悲しそうな顔。
泣き出しそうな顔、緊張した顔。
思い出すのは、そんな負の表情ばかり。
詩子が鋭いのか、
それとも、だれが見ても、
どこからどう見ても、
詩子の言う通りに見えてしまうのか、
事情を知っているわたしにはよくわからない。
人間大好きって感じで全力でぶつかっていくのに、
おばあちゃんには遠慮がちに、
鼻先でちょんって挨拶しただけだったよ」
意外とよく見ている。
一日ごとに大人になっていく詩子。
「そりゃあオーロだって、
遊んでくれそうなひとかどうか見分けるわよ」
「ああ、そっか。
そういうことかー」
詩子が納得してくれたので、
わたしはほっとした。
まだ単純でよかった。
でも、いつまで詩子に隠しておけるだろう。
母の悲しそうな顔。
泣き出しそうな顔、緊張した顔。
思い出すのは、そんな負の表情ばかり。
詩子が鋭いのか、
それとも、だれが見ても、
どこからどう見ても、
詩子の言う通りに見えてしまうのか、
事情を知っているわたしにはよくわからない。