この作品は18歳未満閲覧禁止です
- 小
- 中
- 大
- テキストサイズ
絶対に許さないからね
第6章 意地悪
「だから、そういうことなんだよ。
お前はオーロに、女って認めてもらえなかったんだな」
わははは、といかにも楽しそうに兄は笑う。
うっせ、と返しながら、
詩子がソファに放りっぱなしのリモコンを拾い上げ、
テレビのボリュームを下げた。
最近少しずつ自覚していることを、
兄とはいえ他人に指摘されて腹が立つ。
街を歩いていても、
ああこっち見てるなって思うことが、
昔と比べてずいぶんと減ってしまった。
言われなくてもわかっとるわい、と、
兄がそばにいたら、
手に持ったリモコンで力いっぱい殴りつけてやるところだ。
「で、なんか用事?」
ぶっきらぼうに、わたしは聞いた。
「ああ、そうだったな。
実は母さんなんだけど」
一瞬で気持ちが引き締まる。
母の話題を振られることがわかって、
わたしは身構えた。
お前はオーロに、女って認めてもらえなかったんだな」
わははは、といかにも楽しそうに兄は笑う。
うっせ、と返しながら、
詩子がソファに放りっぱなしのリモコンを拾い上げ、
テレビのボリュームを下げた。
最近少しずつ自覚していることを、
兄とはいえ他人に指摘されて腹が立つ。
街を歩いていても、
ああこっち見てるなって思うことが、
昔と比べてずいぶんと減ってしまった。
言われなくてもわかっとるわい、と、
兄がそばにいたら、
手に持ったリモコンで力いっぱい殴りつけてやるところだ。
「で、なんか用事?」
ぶっきらぼうに、わたしは聞いた。
「ああ、そうだったな。
実は母さんなんだけど」
一瞬で気持ちが引き締まる。
母の話題を振られることがわかって、
わたしは身構えた。