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絶対に許さないからね
第6章 意地悪
「まあそうだよな。お前は、そう言うよな」
「なによ。わかってるなら、わざわざ聞かないで」
「俺もそう言ったんだ。
美香がいいって言うはずがないんだから、
黙って行ってこいって」
兄に言われ、わたしは眉が吊りあがった。
「なにそれ。
お兄はあのひとのこと、許したの?」
「あのひと、なんて言うな。
母さんって呼べ」
ぴしゃりと音が聞こえそうなくらい厳しく言われ、
わたしはたじろいだ。
「許したか許してないかで言うなら、
俺はとっくに許してる。もう十年以上経ってるんだ。
その間、母さんがどんな気持ちで過ごしてきたか。
お前は早々に家を出たから知らないだろうけどな。
母さんは父さんを、最後まで完璧に愛していたよ」
ぐっと言葉に詰まるのは、
わたしにでもそれがわかるからだ。
例え父にだけ向かっているのではないとしても、
母はちゃんと父のことを愛していた。
「なによ。わかってるなら、わざわざ聞かないで」
「俺もそう言ったんだ。
美香がいいって言うはずがないんだから、
黙って行ってこいって」
兄に言われ、わたしは眉が吊りあがった。
「なにそれ。
お兄はあのひとのこと、許したの?」
「あのひと、なんて言うな。
母さんって呼べ」
ぴしゃりと音が聞こえそうなくらい厳しく言われ、
わたしはたじろいだ。
「許したか許してないかで言うなら、
俺はとっくに許してる。もう十年以上経ってるんだ。
その間、母さんがどんな気持ちで過ごしてきたか。
お前は早々に家を出たから知らないだろうけどな。
母さんは父さんを、最後まで完璧に愛していたよ」
ぐっと言葉に詰まるのは、
わたしにでもそれがわかるからだ。
例え父にだけ向かっているのではないとしても、
母はちゃんと父のことを愛していた。