この作品は18歳未満閲覧禁止です

  • テキストサイズ
絶対に許さないからね
第6章 意地悪
 ここで急にがさがさと雑音が入り、
遠のいた兄の声でかすかに、
寝てたんじゃないのか、と聞こえてきた。
そして更に更に小さな、
代わって、という母の声。
わたしは息を詰めて、
がさがさかちゃかちゃ雑音を聞く。
まだ一言も発していないのに、
今受話器を持っているのは母だとわかる。

「あの…… 私です」

 どんな雑音にでも負けてしまいそうな小さな声。
母の声は、受話器を通すとより細く、
年老いて聞こえる。

「正孝から聞いたと思うんだけど――」

「だめよ」

 母の言葉にかぶせ気味に、わたしは言った。
母がもう、新しい男を作るなんて可能性は、
皆無であるということはわかっている。
ではなぜだめだと突っぱねるのか、
明確な理由はない。
強いて言うなら意地悪だ。
裏切った母への仕打ち。
腹いせ。
わたしはどんどん嫌な女になっていく。
/189ページ
無料で読める大人のケータイ官能小説とは?
無料で読める大人のケータイ官能小説は、ケータイやスマホ・パソコンから無料で気軽に読むことができるネット小説サイトです。
自分で書いた官能小説や体験談を簡単に公開、連載することができます。しおり機能やメッセージ機能など便利な機能も充実!
お気に入りの作品や作者を探して楽しんだり、自分が小説を公開してたくさんの人に読んでもらおう!

ケータイからアクセスしたい人は下のQRコードをスキャンしてね!!

スマートフォン対応!QRコード


公式Twitterあります

当サイトの公式Twitterもあります!
フォローよろしくお願いします。
>コチラから



TOPTOPへ