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絶対に許さないからね
第6章 意地悪
「あー、やっぱりそうだわ。
なんでこんな宿選ぶんだか……」

「温泉かー、やっぱり行こうかなー」

 案の定、詩子は食いついてきた。
こんな単純なうそも見抜けないなんて、
まだまだ子どもよのう。

「あ、そう、行ってくれる?
おばあちゃん喜ぶわよ。
じゃあそう伝えておくわね」

 わたしはさっそく、
詩子の気が変わらないうちに兄に電話を掛けた。
兄は詩子が行くということに戸惑いながら、
それでも母を温泉に行かせてやれることに安堵したようだ。

 これで、わたしの罪悪感も少し薄れる。
もし母が、どうしてもひとりで行きたいと言うなら、
そのときは改めて断固反対すればいい、と考えていた。
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