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絶対に許さないからね
第8章 宝もの
赤ちゃんを見てかわいいと思ったことは、
正直に言って一度もなかった。
小さ過ぎるほど小さいし、
儚げに頼りなく、
不安になるほど弱々しくて、
近くにいるだけで気が休まらない。
こんなに小さいのに生きているんだと思うと、
迂闊に触れることも躊躇われる。
突然泣き始めるところも、
理解の範疇を超えていて恐怖だった。
だから銀ちゃんと結婚して、
最初に揉めたのはそこのところだった。
はやく子どもが欲しい銀ちゃんと、
尻込みするわたし。
あのころのセックスは戦争だった。
隙あらば生で挿入を試みる銀ちゃんから巧みに身をかわし、
わたしはフェラチオの最中に、
コンドームを被せるテクニックに磨きをかけた。
しかし、敵もさる者。
シックスナインに持ち込まれると、
わたしの勝率はぐっと下がってしまう。
性感スイッチが入ってしまい、
両手を押さえつけられながらのしかかられると、
そこから形勢逆転することはほとんど不可能だった。