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絶対に許さないからね
第8章 宝もの
上原姓を名乗るようになり、
牧原の名字を捨てられたことが嬉しかった。
牧が上に代わっただけで大違い。
汚れた服を脱ぎ捨てたみたいに、
せいせいしていた。
それくらい母を毛嫌いしていた。
顔を見るのはもちろん、
気配を感じることさえ嫌だった。
そこにいると思うことも我慢ならなかった。
この世にいると思うことでさえ、
苦痛に感じるほどだった。
銀ちゃんのおかげで、
わたしは救われた。
あのころ、銀ちゃんがいなければ、
わたしはどうなっていただろう。
銀ちゃんとの新しい生活は、
晴れの日みたいに清々しく、
雨の日みたいに落ち着いていた。
銀ちゃんはかゆいところに手の届くひとだ。
なにも言わなくても、わたしがなにを望み、
なにをして欲しいかをちゃんとわかっている。
さりげなく、いつの間にか、
わたしの願いは叶っている。
いつも、ちゃんと、
わたしを見てくれている。
牧原の名字を捨てられたことが嬉しかった。
牧が上に代わっただけで大違い。
汚れた服を脱ぎ捨てたみたいに、
せいせいしていた。
それくらい母を毛嫌いしていた。
顔を見るのはもちろん、
気配を感じることさえ嫌だった。
そこにいると思うことも我慢ならなかった。
この世にいると思うことでさえ、
苦痛に感じるほどだった。
銀ちゃんのおかげで、
わたしは救われた。
あのころ、銀ちゃんがいなければ、
わたしはどうなっていただろう。
銀ちゃんとの新しい生活は、
晴れの日みたいに清々しく、
雨の日みたいに落ち着いていた。
銀ちゃんはかゆいところに手の届くひとだ。
なにも言わなくても、わたしがなにを望み、
なにをして欲しいかをちゃんとわかっている。
さりげなく、いつの間にか、
わたしの願いは叶っている。
いつも、ちゃんと、
わたしを見てくれている。