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絶対に許さないからね
第10章 十二年
一歳の誕生日に、
銀ちゃんは詩子より大きいぬいぐるみを買ってきて、
詩子が怖がって泣いてしまって、
すごくしょんぼりしていた。
あまりにもかわいそうで、
その夜は銀ちゃんにたくさんサービスしてあげた。
今でもあの夜のことが忘れられないって、
時々言うくらい。
詩子がぬいぐるみより大きくなると、
寝るときはそれが側にいないとぐずった。
大した病気も怪我もすることなく、
詩子はすくすくと成長した。
幼稚園に通うようになり、
初日こそ置いていかれると察知してぎゃん泣きしたけど、
一、二週間も通うと、
詩子のほうからバイバイと笑顔で手を振るようになった。
小学校へあがり、友だちもたくさんでき、
どんどん身長は伸び、
大き過ぎると思ったランドセルはぴったりになり、
ちょっと生意気だけど、
素直で性質の良い女の子に育ってくれている。
一瞬たりとも無駄のない、
大切な詩子との時間、
たくさんの思い出。
詩子が生まれたのは、
もう遥か昔のことのように思える。
それでも十年。
それよりも、もっと昔から……
銀ちゃんは詩子より大きいぬいぐるみを買ってきて、
詩子が怖がって泣いてしまって、
すごくしょんぼりしていた。
あまりにもかわいそうで、
その夜は銀ちゃんにたくさんサービスしてあげた。
今でもあの夜のことが忘れられないって、
時々言うくらい。
詩子がぬいぐるみより大きくなると、
寝るときはそれが側にいないとぐずった。
大した病気も怪我もすることなく、
詩子はすくすくと成長した。
幼稚園に通うようになり、
初日こそ置いていかれると察知してぎゃん泣きしたけど、
一、二週間も通うと、
詩子のほうからバイバイと笑顔で手を振るようになった。
小学校へあがり、友だちもたくさんでき、
どんどん身長は伸び、
大き過ぎると思ったランドセルはぴったりになり、
ちょっと生意気だけど、
素直で性質の良い女の子に育ってくれている。
一瞬たりとも無駄のない、
大切な詩子との時間、
たくさんの思い出。
詩子が生まれたのは、
もう遥か昔のことのように思える。
それでも十年。
それよりも、もっと昔から……