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情報ねずみは眠らない~情報屋の淫らな仕事~
第1章 探偵の裏の顔

交わりを終え、ひなの唇に先ほどまでとは違う、ついばむような優しい口付けを落とす。
ちゅっ・・・
顔を上げた銀次は、ひなの知る『いつもの銀次』に戻っていた。

にへらとした笑顔で、ひなにかかった体液を拭い、シャツをかぶせる。
「時間、遅くなっちゃたね~、ごめんねひなちゃん~」
声をかけながら自分も衣服の乱れを直し、事務所に来た時と全く同じ外見へと戻るのに3分とかからない。
「中に出したらいいのに…」
ひなは銀次に聞こえるか聞こえないかの小さな声で、呟く。
それに対してか否か、銀次は最後にもう一度ひなの唇を求め、ニコニコ顔で立ち上がる。
「俺はね~、ひなちゃんとお金払ってえっちしてる訳でもないし、仕事でしてる訳でもないんだよ~」
「じゃぁ、・・私が好きだから・・・ってこと?」
「ん~ん、それは違うけど~」
銀次に恋愛感情を抱いている訳ではないが、ハッキリと否定され、小さくショックを受けるひな。
「ひなちゃんとはシたいから、シてるんだよ~。それに、ひなちゃんの身体って俺が気持ちよくなれるように、先生に開発してもらったから、具合がいいんだよね~」
身も蓋も無いことを言われ、ひなはため息をつく。
探偵・銀次とは、こういう人間なのだ。

「ほんじゃ~、今日はこれで~。明日またお仕事の時間にね~」
へらりと笑い、銀次はモスグリーンのコートに袖を通すと、事務所を出た。
「おやすみ~、ひなちゃん」
カチャリと外から鍵をかける音と、階段を降りる革靴の音が、かすかに部屋に響いた。
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