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逢いたいから~心で告げた百万回の〝好き〟~
第7章 再会
カメラを構えていた萌は、無意識の中にシャッターを切る。花嫁も花婿も映ってはいない、けれど、幸福な花嫁を象徴する純白のブーケが六月の空に漂う―その構図は何故か、その日の亜貴の歓びを何より物語っているように思えた。
亜貴の投げた胡蝶蘭のブーケは、高校生の女の子が手にした。その子は亜貴のお父さんの弟、つまり父方の叔父の娘だ。制服での参列だが、今時の若い子らしくない黒髪で三つ編みにした清楚な姿は、かえって初々しさを引き立てていた。
亜貴の投げた胡蝶蘭のブーケは、高校生の女の子が手にした。その子は亜貴のお父さんの弟、つまり父方の叔父の娘だ。制服での参列だが、今時の若い子らしくない黒髪で三つ編みにした清楚な姿は、かえって初々しさを引き立てていた。